大学生の頃付き合っていた人がいた。
「クリスマスプレゼントは絶対にあげない」とわざわざ強めに宣言してくる人だった。
付き合って初めてのクリスマスだし、プレゼントを交換し合いたいと思っていた大学生の私はとてもがっかりした。でも相手があまりに強く言うので諦めた。
そんなこともあり、クリスマス当日はプレゼントをまったく期待せずにお昼から彼の家に行った。
着いてしばらく二人でゆっくり過ごしていると、突然「コンビニ行ってくる」と言って彼は家を出て行った。
彼が出て行ってから一時間以上が経った。
コンビニにしては長い…まさかサプライズ…?と内心ドキドキして彼を待っていると、彼はそれはそれは大きい袋を抱えて戻ってきた。
現在アラサーの私が数年前のことを思い出して書いているから記憶が誇張されているかもしれない。
でも見たときに「袋、大きすぎない?」とぎょっとした感情は覚えている。
中身は、失礼ながらとてもはっきりした言い方をすると要らないものがたくさん入っていた。
袋を大きくした原因はこれか・・・と思ったのは使いにくそうな肩のマッサージ器で、結局ほとんど使わずに箪笥の肥やしになった。
他には携帯の充電器だったり(すでにあるし、壊れてもいないのになぜか)絶対付けたくないキーホルダーなんかもあった気がする。
あーどれもいらないなぁと思いながら、でも。
大きい袋をもって帰ってきた彼は私にはサンタクロースに見えた。いらないのものをもらったのにも関わらず嬉しくてはしゃいだ。こんなことしてくれる人なんだ。と、彼が可愛くも思えた。
それから付き合い続け、社会人になった彼は学生のバイト代より遥かにいい給料をもらうようになった。クリスマスには私が当時好きだったブランドのバッグをくれると言ってくれた。
ブランド店に一緒に入ると、10万以上するのにも関わらず「それが欲しいの?いいよ」と買ってくれた。
もう、要らない物の詰め合わせをプレゼントしてくる彼も、プレゼントは渡さないと宣言する彼もいなかった。彼は高価なもの、私の欲しいものをくれる彼氏になっていた。
どっちも嬉しかったな、結局別れたけど。
2020年のクリスマスは彼氏も居ずに一人なのでそんなことを思い出す。お昼はセブンのチキンとケーキを食べて、夜は私以外全員おじさんしか居ない定食屋で黙々と白身魚のフライを食べて終わった。そんな私からしたら好きな人と過ごすクリスマスは全て楽しいし、好きな人からのプレゼントは綺麗事抜きでセンス悪くても使わないものでもなんでも嬉しかったな。
でも好きじゃないともらった物のセンスにだいぶ厳しくなっちゃうのは分かるわ…とTwitterで某ブランドアクセサリーの毎年恒例の話題を眺めながら今年はクリスマスを終わらせる。
おすすめの婚活・恋愛漫画はこちらの記事をご覧ください↓
↓こちらの本はAmazonオーディオブック Audibleの無料体験で聴くことができます。
コメント