人生って残酷ですよね。
私が喉から手が出るほど欲しいものを、何の苦労もせずに、自然と手にしている人がいる。
なんだったら、そんなものは要らなくて、簡単に捨ててしまう人もいるのです。
私が欲しい欲しいと心の中で喚き散らし、時には泣きながら神に願うものは、全ての人にとって価値があるわけじゃないと知るのです。
昔の話です。
自分の人生を「ろくなものじゃない」と言う男の人と付き合っていました。
彼の黒い髪を撫でながら、思いました。
綺麗な肌を指で触りながら思いました。
年上なのになんてかわいい人。
なぜ、この人の隣に長くいた女の人は、この人を深く愛さなかったのだろうか。
「もったいない。こんなに可愛くて優しい人は愛されるために生まれてきたのに」と。
うんと可愛がって幸せにしてあげようと思いました。
爪を切ったり、耳の掃除をしたり、手にクリームをつけて乾燥から守ろうとしました。
しかし、彼は私を最終的には選びませんでした。
私がどんなに望んでも、彼は手に入らなかったのです。
その時、彼を雑に扱った前の女の人のことを 思いました。
感情を変えずとも、努力せずとも、見た目だけで簡単に彼の心を奪った女の人がいること。
その事実と向き合うと、戦意喪失して力が抜けました。
私にとっての彼の価値と、その女の人にとっての彼の価値は、違うのでしょう。
彼に心の中で捨て台詞を言いました。
「あなたといることを望む人のところにいるべきだよ、まだまだたくさん愛したかったのに」
私は、私に対してもそう思います。
スキンケアに1万円以上使っているのです。
まつげにパーマをするのに、メイクをするのに、美容室でトリートメントをするのに、いくらかけているのでしょうか。
お風呂上りに欠かさずにボディクリームを塗って、可愛い服を選んで着ているのです。
苦しいダイエットも頑張っているのです。
せめて私に触れる人は、私を大事に思ってくれる人がいいと思います。
だって精一杯可愛がってきた私だから。
大事にされる価値があるはず。
そう頭でわかっているのに苦しい恋を選んでしまいがちです。
馬鹿な私にも「可愛がられるために生まれてきたのにもったいない」といつか抱きしめてくれる人が現れるのでしょうか。
自分の価値を知ってくれている人のところに誰もがいるべきなのです。
私もあなたもみんな。
他人の話を聞きながら、テレビを観ながら、今日も誰かが私が欲しくてたまらないものを捨てているのを知ります。
その幸せに向かって「そっちじゃない。私のところにおいで」と私は今日も呼びかけているのです。
呼ばれることも同時に願いながら。
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