芥川賞受賞宇佐見りんの「推し、燃ゆ」読んで元ヲタクが感想を書いてみた

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芥川賞受賞作はなんとなく目を通すようにしているんだけど、今回は相当若い子が書いた話なのか、と本屋でこの本の表紙を見た時点で思った。

まずタイトルの「推し、燃ゆ」からして若い発想を感じる。

念のため、推しとは「応援している好きな人やキャラのことを指すヲタク用語」である。

21歳でニ作目で芥川賞を受賞する天才。

推しを追いかけるファンの小説。

もうそれだけで興味が湧く。

でも本を読むかどうかは最初の出だしを読み、読みたいと思うかでいつも決めているのだ。まずは、読んでみないと

「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。まだ詳細は何ひとつわかっていない。何ひとつわかっていないにもかかわらず、それは一晩で急速に炎上した。寝苦しい日だった。」

読もう。決めた。絶対面白い。

読んでみた。

内容は、ざっくり書くと、アイドル上野真幸をお金と自分の時間を全て注ぎ、推しを推すブログまで作り推し活している私生活は何もうまくいかない女子高生あかり。その真幸がファンを殴ったという報道が出る。

そんな話だった。

実は私もあかりほどじゃないけどヲタクだった。

かつての自分を思い出してしまった。

私の場合は推しはアニメのキャラなので炎上することはなく安全に推せた。学生時代はずっとそのキャラを思って過ごしてきたような気がする。

思えばあの時は恋愛体質ではなかった。彼氏がいても特にその彼氏に夢中になることは無かった。推しを推すことは他の男性を好きになること以上に私の生きがいだった。

でも、私は熱烈な恋心を知ったその日から推しを推すことをやめた。

現実の恋には、推しを推していた時と違い傷つけられるが、それ以上の興奮があったのだ。

今の私には推しはいない。趣味も特にない。

生きがいがないから、好きな人が出来ると誰かを生きがいにして依存してしまう。

誰も好きにならなくても生きていけた楽しかったあの日をこの小説を読んで思い出した。

この小説はファンが推しを推すことがどういうことなのかを書かれている。それは幸せなだけではなく、暗い結末を迎えることもある。どちらにせよ飽きたり、推しが活動を辞めたり、いつか終わりが来る。

何かを推したことがある人は主人公の気持ちがきっと分かる。

是非推しがいる、推しがいた人には読んで欲しい一冊だ。

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